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小さな願い ♯5

アルバートはそのままキャンディをベッドの上に仰向けに寝かせると、組み敷くようにしてキャンディをじっと見下ろした。恥ずかしさで頬をほてらせたキャンディが、それでも勇気を出してアルバートの姿を見上げる。瞳が絡み合った。
これ以上ないというくらいの愛に満ちたアルバートの眼差しに、キャンディは全身がとけてゆくような感覚に包まれ、心からアルバートが欲しいと思った。まだ怖いのに、緊張で今にも逃げ出しそうなのに、それとは裏腹に何もかもをアルバートとわかちあい、ひとつになりたい激しい思いで胸がいっぱいになった。

良く見ると、アルバートの身体にはいくつもの傷があった。一番目立つのはもちろん、数年前にライオンからキャンディを守ってくれた時に負った腕から胸にかけての傷跡だが、それ以外にも、引き締まった筋肉質の身体のあちこちに、古い小さな傷跡が残っている。
国内はもちろんのこと、ヨーロッパやアフリカ、砂漠にまで足を延ばして旅をしていた、若かりし頃の野生的なアルバート。きっとそんな生活のなかで、時には危険な目に遭ったり、思いがけない怪我をすることもあったのだろう。そういえば、喧嘩にも慣れていると言ってたっけ。
普段身につけている高級なビジネススーツの下に、こんな荒々しさを感じさせる肉体が隠れていることに誰が気づいているだろう。
キャンディは、いま自分が眼にしている夫の身体に、説明のしようがない甘い衝動を感じてしまい、ハッとした。自分の奥で今まで眠っていた「本当の自分」を突き付けられたようで、キャンディは思わず深い吐息を漏らしていた。

アルバートはキャンディの胸元に覆いかぶさると、両手ですくいあげるようにふくらみを愛撫し始めた。指の動きがだんだん熱をおびてきて、キャンディは思わずアルバートの頭を掻き抱いた。
「・・・う・・んっ・・・」
「キャンディ、声を我慢しないで・・・。もっと聞かせて」
アルバートがキャンディの胸に唇を押し当てた。温かい唇が、キャンディの白いふくらみに刻印をつけるようにうごめき、熱い舌が肌をゆっくりと這う。アルバートはキャンディの胸のつぼみを唇に含むと、優しく吸い上げながら、舌先でころがして翻弄した。
「・・・甘い・・・。キャンディの名前と同じだね。こんなところも甘いよ・・」
「あ・・・っ・・アルバートさん・・・」
「秘密の呼び方で呼んで、キャンディ・・・」
「・・・んっ・・・バート・・・」
キャンディはかすれた声で呼びながら、アルバートにもてあそばれる胸の快感に身をのけぞらせた。我慢できなくなった頃、アルバートの指がキャンディの胸から腹部へとつたっていき、やがて脚の付け根の秘めやかな場所へと辿り着いた。

しんと静まり返る夜、響くのはキャンディとアルバートの息遣いと時折漏れる甘い声、身体がシーツを滑り、こする音だけだった。他には誰もいない。時折森のどこかから、フクロウの鳴く声がかすかに聞こえてくるだけだ。
ふたりきりで、どこか遠い世界に落ちてしまったようだった。それなのに、キャンディは少しも不安を感じなかった。ずっと昔、少女の頃から、アルバートと一緒にいれば何も怖くない気がしていた。いま、その人が夫となり、自分を全身全霊で愛そうとしている。アルバートの肌に汗が薄く光り始めたのを見ながら、キャンディはその圧倒的な愛の深さを存分に受け止めたいと思った。

アルバートの長い指が、キャンディの秘められた箇所へと伸びて、優しくそっと触れる。キャンディがピクンと身体を震わせた。撫でるように優しく動きながら、アルバートが丁寧にほぐしていく。そして隠された宝物を見つけるように、指先が小さな芽を探り当てた。
「・・・見つけた」
アルバートが左腕でキャンディの背中を抱きながら、右手をキャンディの太腿から秘められた敏感な芽まで何度も行き来させる。
キャンディは今まで一度も感じたことのない、怖くなるような快感の気配に身をすくませた。何がどうなっているのか分からない。自分はどうなってしまうのか。先を見るのが怖いくせに、もっと触れてほしくてたまらなくなる。
キャンディの息が早くなり、白い身体がしなった。アルバートはキャンディのふくらんできた芽と、既に濡れはじめている奥の窪みの両方を、同時に優しく刺激し始めた。

「あっ・・・、いやっ・・・」
指が中まで差し込まれ、咄嗟に声を出したキャンディだが、痛みよりも、濡れて滑るようにすんなりとアルバートの指を受け入れた自分にびっくりしてしまった。
私、知らないうちにこんなに反応していたの・・・?
「大丈夫だよ・・・可愛いよ、キャンディ。ほら、、もうこんなにあふれてきてる・・・」
耳元でアルバートに囁かれ、大事そうに繊細に動く指先の感触に、キャンディは気が遠くなりかけた。秘密を探るように動くアルバートの指が、次第に濡れた音を響かせていく。自分がこんな恥ずかしい音をさせていることに、キャンディは羞恥よりもなぜだか本能的な喜びを感じていた。

たっぷりと時間をかけて、キャンディはアルバートに身も心も溶かされた。
身体の奥から絞られるように生まれてくる快感にしびれ始めたとき、キャンディは蜜に濡れたその場所に、アルバート自身が当てがわれるのを感じて息を呑んだ。その想像以上に硬く熱い感触に、これから起こることへの不安で一瞬身体がこわばった。
指だけでもこんなにいっぱいなのに、自分は大丈夫なのだろうか。脅えと、その後ろに密かに覗く甘い期待。キャンディは思わずぎゅっと目を閉じて、アルバートの首筋にしがみついた。
「怖くないよ、キャンディ。深く息を吐いて、力を抜いてごらん。・・・そう、痛かったら僕の肩を噛んでいいから」
アルバートが優しく囁きながら、キャンディの脚を大きく開かせる。ついばむようなキスでキャンディをリラックスさせ、腰を抱え込むような体勢を取ると、キャンディの顔を自分の肩先にあてがうようにした。
「・・・愛してるよ、キャンディ」
キャンディはアルバートの肩に顎を押し付け、深く息を吐いた。そうして自分の内側へと押し進むように入ってくるアルバートを全身で感じながら、濡れた瞳を大きく開いた。

by akaneiro16 | 2016-02-20 20:46 | ファンフィクション